世界の気候変動は非常に重大な危機に直面しています。
気候の変化による適応作物の変化だけでなく、干ばつや集中豪雨など、農業への影響も計り知れません。
農業も温暖化の一因になっています。
野焼きから排出される二酸化炭素、黒色炭素など、多くの物質が温暖化の原因になっています。
作物残さや雑草等の有機物は燃やさずに土壌に還元することで温室効果ガスの発生を抑えることができます。
これを「土壌の炭素貯留」と言います。
農地土壌に、たい肥や稲わら等の有機物を投入すると、それに含まれる炭素の一部はCO₂ に分解され、大気中に放出されますが、一部は分解されにくい腐植物質になり、土壌中に蓄積されていきます(図 3-63)。これは、大気中の CO₂ の削減を意味しており、農地が炭素を貯留することにより、CO₂ の吸収源として機能していることとなります。土壌への炭素の貯留量は、有機物の種類によって大きく異なり、分解しにくい成分が多いほど、より多くの炭素が貯留されますが、土壌の種類や気候の条件等によっても大きく異なります。
土壌の炭素貯留は「農林水産省地球温暖化対策計画」の中でも重要項目に掲げられています。
温暖化による豪雨や干ばつで「困った困った」と嘆く前に、燃やさずに堆肥化しましょう。
温暖化の防止は私たち一人一人の行動にかかっています。