〇もみ殻は、ケイ酸質資材として活用できます
もみ殻の約 2 割はケイ酸分であるため、単収 540kg のほ場のもみ殻を全て田んぼに戻すと、ケイカルを約 80~100kg 散布したのと同等の効果が期待できます。
もみ殻の散布は、トラクターにコンテナ式のもみ殻散布機を付けて散布(自然落下)すると1回の散布量が多く、手間も少ないため省力的です。
また、通常の軽4輪にもみ殻を積んでほ場内で散布することも可能ですが、1回の運搬量が専用の散布機に比べ少なくなるため、荷台にコンパネを立て、積載量を増やすなどの工夫をすると良いです。
(注)赤字は管理人による編集
一番簡単な生のままの籾殻
①生のまま使う:
籾殻利用で最も手間がかからないのは、発酵させたり燃やしたりせず、そのままの状態で土壌にすき込む方法だ。籾殻という固い植物繊維が土中に入り込むことで、水はけをよくする『土壌改良剤』としての効果が期待できる。籾殻特有の凹凸に加え、ケイ酸や食物繊維が多いために分解されにくく、効果が長持ちするところが好まれている。また、もともと籾殻は水をはじくが、ある程度の時間水に浸せば保水できるようになる。継続的に土中にすき込んでいくことで、粘土質の土壌も団粒化しフカフカの理想的な土に変化していくという。
また、籾殻を入れることでイネが強くなると経験的に感じる農家も多いようだ。田んぼにすき込まれた後のケイ酸の分解速度や動態は未解明の点が多いようだが、籾殻中のケイ酸が分解後にイネへ供給されているとみられる。デメリットとして挙げられるのは、前述した『窒素飢餓』である。C/N 比が 70以上ともいわれるほど含有窒素が少ないためだ。しかし研究者によっては、「籾殻は分解されにくいからこそ、土中へは炭素や窒素が少しずつしか供給されないため、窒素飢餓はそれほど心配しなくてよい」という人もいる。