河川敷刈草の果樹園でのマルチング利用(高知県立幡多農業高等学校)
河川整備基金助成事業において、高知県立幡多農業高等学校は、四万十川の河川敷刈草の有効活用の研究をしました。
http://public-report.kasen.or.jp/171215042.pdf
苅草をロールベールサイレージに加工し、家畜の飼料や果樹園のマルチングに利用したところ、おおむね良好な結果を得ました。
<論文より引用>
結果として、マルチングを実施した面とそうでない面では明らかに雑草の繁茂状況に違いが
あり、目的のひとつである雑草防除には効果があることがわかった。また保水性においても、
夏期にマルチングの下の土の状態を調べると乾燥状態がみられず、効果があることは確認でき
た。しかし、ビニルを用いた時のようなほぼ完全な雑草防除効果は得られず、完全な雑草防除
のためには野草の密度をさらに上げ被覆する必要があると思われる。しかしながら、果樹園に
おいては雑草防除や保水性の向上を図ることができ、最終的には有機堆肥として活用でき土壌
の団粒化をも促す効果のある野草は非常に魅力的であり、今後その需要は大きいものと考えら
れる。
<写真:論文より引用>
ここでの研究は河川敷刈草をロールベールに加工し、果樹園に搬送するものですが、私たちの身の回りの雑草の処理にも応用できるのではないでしょうか。
個人的な体験談ですが、庭の雑草を菜園の夏みかんやブルーベリーの木の周りに積んでおくと雑草抑制効果があるだけでなく、堆肥化し団粒構造の良い土になっています。
紹介した論文にも書いてありますが、厚めに被覆するのがポイントです。
雑草を燃やす人の言い分は、「種の処分」「害虫駆除」などですが、論文においても個人的な体験においても、そのようなデメリットはなく、メリットの方がはるかに大きいようです。